七夕に思ふ(超長文)

明日は、七夕です。
※この話は『金星の一年』のつづきです
天帝こと北極星によってその仲を引き裂かれた、織女(織姫)ことベガ(こと座)と、牽牛(彦星)ことアルタイル(わし座)は、七月七日、一年に一度だけ逢えるのだー。
なんてロマンチックな夜なのでしょうか。
地球からアルタイルまでの距離は、およそ17光年。いっぽうのベガまでは、なんと25光年も離れているのです。
七夕ってかなり遠い世界(?)の話なんですね。
そんなベガとアルタイルだって、じつは15光年も離れた仲なのです。
さてさて、これまた金星のときのお話同様、一年に一度、一日だけ会えるというのは、どこの時間を基準とした話なのでしょうか?
というか、毎年一年に一回規則正しくやってくるのは、もちろん地球でのお話ですから、そりゃーもう地球の時間ですよね。
地球時間にあわせてくれるなんて、天帝も織女も牽牛もありがたいこってす。
ただ、気になるのがこの一日っていう単位は、実質、アルタイルとベガにとってはどのぐらいの時間なのでしょう?
アルタイルとベガ自身も時間軸は共有しているわけではないだろうし。もし金星のように自転にかかる時間が極端に長いとすれば、地球時間の一日なんて、ほんと短い時間ですよね。
あ、でもあれかな、この話はその星に住む星人の話ではなく、実際に星と星同士の話だから、時間なんてどうでもいいのかも。
星と星だし、生物が口をはさむ余地はないですな。
話は変わって北極星の話。天帝こと北極星(こぐま座のα星)は、いつも真北にあって、どんな時間、いつの季節でも、
まったく北の位置から動かない、全星座の中心です。
ああ、こっちが北だーって感じで、多くの冒険家が北極星には助けられたはずです。
しかしこれは北極星が全宇宙の中心で、星すべてが北極星を軸にまわっているというわけではありません。
北極星が北の位置から動かないのは、地球の自転軸の北側延長線上にたまたまある星だからにすぎません。
そしてこの自転軸は約2万6000年周期で大きく首振り運動をしています。
首振り運動は、正式には歳差運動というもので、地球が赤道あたりが膨らんだ真球ではないところから生じています。
その地球自身の歳差運動により、北極星になる星も、じつは何千年かの単位で別の星に移り変わっているのです。
現在の北極星であるこぐま座のα星も、事実、地球の自転軸から1度あまりずれており、直径約2度の小円を描いて北上に輝いております。
1万3000年後、地球の自転軸上に輝く星は、織女ことベガになります。
奇しくも織女が北極星となり、天帝(女帝か?)になるわけです。
文字通り天帝に輝く1万3000年後は、女帝自らの命で、毎日のように牽牛と会うという決まりごとを作ることも可能になるわけです。
今年の高橋の七夕の願いは、
「1万3000年後まで、織女、牽牛の愛が続きますように」
にしようかと思います。
なんちて。
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